ようやくなのか、アッという間なのか、先ずは初通し。少しずつだろうが、頂いた役の「ノリ」が判って来たように思う。後は初日まで、もっと身体に染み込ます必要がある。
実は先日の衣裳合わせで、東京衣裳さんが、いい物をチョイスしてくれていて、素直に嬉しい。こんな事もテンション上がるポイントでもある。役者って単純でしょ。
ようやくなのか、アッという間なのか、先ずは初通し。少しずつだろうが、頂いた役の「ノリ」が判って来たように思う。後は初日まで、もっと身体に染み込ます必要がある。
実は先日の衣裳合わせで、東京衣裳さんが、いい物をチョイスしてくれていて、素直に嬉しい。こんな事もテンション上がるポイントでもある。役者って単純でしょ。
定評ある名作を上演するのは、ある種の乗っかりがあるだが、演出家はだからこそのプレッシャーを背負わざるを得ない。
和田憲明氏の世界に二度携わった人間として、稽古の追い詰め方は殊更だったのではないかと類推する。憲明氏の創り方は、本番千穐楽まで猶予があるという拘りなので、2ステージ目はまだ序の口なのだろうが、舞台での彼らを見るに、そのギリギリ感は察するに余りある。
始まって暫く、この芝居、どの方向に展開するのかが曖昧のまま進む。その内、あ!恋愛物かと判断する直後、突然サスペンスな急旋回を見せ、最終シーンで再び綺麗に恋愛物定番に帰結する。このいびつなウエルメード芝居を、憲明氏特有の細部に妥協しない緊密感のまま会話が続くのだから、浮つきの欠片もない引き込み具合が、芝居見物の贅沢さを味あわせてくれる。このジェットコースター的な快感は、憲明演出によるものかも知れない。
40年前頃か、雑誌のグラビアに、女装癖のある超有名大学数学者が、緑魔子嬢と並ぶ写真を見た記憶が蘇った。「数字」という夢想に漂う「数学者」の、狭い価値観ではあるが社会常識というものからの外れ具合は、他人事でない、と感じた僕は、今、大嘘つくのが身上の仕事をしてます。
「鞄」「時の崖」「棒になった男」全三景の完全上演。「批評」が力を持っていた頃、それを寓意という手段で「演劇」にする事が、極めて効果的であった、安倍公房氏が活躍した当時を思う。
個人的には、時代にくっついていた弊害なのか、戯曲上に現れる、何と言えば良いのか、あの頃の「様式」のようなものに、アナクロを感じてしまった。会話それ自体には、ビビットな人の思いや叫びがリアルに描かれていて、それに応えた、オーディションで選ばれた俳優達の豊かな表現に引き込まれはしたのだが 。
ダンスなど職人的身体技術に頼らない「お芝居」でも、説得力のポイントは、俳優の感性と表現力にある事を、証明して見せてくれた舞台であった。
以下は手前味噌な記述です。
「滅多にやらない役なんで」「そんな風に見えませんよ」
この年になって、やっとこの手の役も様になって来たのか。もっと早く出来るようになってたらなア 。それ考えると、自分、まだまだだなア 。
おやおや、結果、反省文になってしまいました。
旗揚げ以来11年に渡る、登米裕一君が辿った数多の苦労に、立場上、高テンションで舞台を見届けた。
5周年の直前に一旦解散、目出度い10周年に公演を持たなかった。そして今年、空想組曲で共演した「こいけけいこ」チャンと、日栄洋祐君を新たに劇団員に迎え、新規立て直し!
「超能力」という飛躍は、人間は必ずその役割があって存在しているという比喩か?戯曲の演劇的な枠組み、群舞という形で行われる時空の圧縮、冷めた間が利く演技、など、キリンバズウガ様式の萌芽が見える。
登米君、焦らずじっくり、表現を楽しめる「ホーム」を創り上げて下さい。応援します!
ムニエルって電子レンジで出来るんですね。仏語「ムニエ(粉屋)」の女性形だから、粉がまぶしてあればOKで、ごく簡単なのだが、表面を焼いたコンガリ感は望めないようだ。ま、フライパンなどにくっついてボロボロにならないだけ良しとしよう。
さて、怪誕身毒丸の詳細が発表されました!有難い事に、最近座員達にお声を掛けて頂く機会が多く、今年は極力それにお答えして来たせいか、「そうそう!」と「まさか?」が混然とした布陣になりました。
ただ、私の処女作(習作のようなものが一つあるが、超小品なんで)で、花組の原点を経験してない座員も大半で、しかも再演が途絶えて15年。日本が日本を取り戻そう!気運が強い今、日本の古典と対峙して来た「花組芝居」の源を、是非体験して頂きたいです。
これまで様々な都合で、10ある場面を前後バラバラに稽古していたのを、本日初めて、問題点を指摘し再確認しながらも、全場面順番に当たる事が出来た。本番2週間前という時期に、全体の流れを、ギクシャクしつつも追えたのは嬉しい。
その為、長時間の詰め込み稽古だったが、演出柿崎ゆうじ氏の粋な計らいで、ここ数日の間にバースデイだった出演者三人にケーキのプレゼント!
中に、花組連が次々共演させて貰っている斉藤佑介君も(ケーキの氏名プレートを本人が食べる行為は、果たして運開き的なのか?)。色んな意味で現場のムードメーカーである(笑)。
戯曲を読めば明らかだったけれど、自分の役を含め大半が一旦登場すると殆ど出ずっぱりという状況が、案外「エライ」という事が判明。大汗をかく訳でもないが、地道に疲労を感じるお役らしい。
筑波大学OBが立ち上げたそうだ。で、「鉄瓶」で共演した斎藤慎吾君は、筑波大で国文学を学んだ縁で呼ばれたのかな。劇団員ではないらしい。
彼の仕事を見たかったのが主だが、内容が三遊亭圓朝「怪談牡丹燈籠」を材としていると聞いて。
あの長編に「真景累ケ淵」も綯い交ぜになっていて!新三郎と新吉が「新さん」として同一人物になっており、何故仇討するのか悩む「孝助」(慎吾君)と、「七生祟る!」と宣言しながら三人しか祟れなかった「豊志賀」、それそれの葛藤がオリジナル。チラッと伊右衛門浪宅の件が入ったりしながら、細かい辻褄はすっ飛ばして2時間強。
劇団としてまだ青さはあるが、最初はみんなこうだよなア、なんて色々振り返ったりして
。
旧暦8月15日の月。来年から8年間、満月にならない。3年続いた天体ショーのお名残りをパシャリ!
「奇々怪々」の稽古も、いよいよクライマックスの大立ち回りに突入。
和物の多い花組芝居に居ながら、女形なんでチャンチャンバラバラは余り経験していない。裾引いて薙刀とか懐剣がせいぜい。男の子が嬉しがる、大刀抜いて、一手、二手、三手、パンパンパン、ズバーッ!搦み(からみ)を切り倒して決まったアッ!という醍醐味を知らないのだが、殺陣師のカラーで随分違うもんだなア、くらいは判る(苦笑)。
「奇々怪々」では、強面だが心優しい「月登(げっと)」氏の殺陣。宮内洋氏や伊吹剛氏、スタントもこなす上野山浩氏、他に殺陣のベテラン衆も交じり、時代劇っていいねえ。
その豊かな心持のまま、帰路、澄んだ夜空に中秋の「満」月を見上げる。
古来の風習に則り、収穫を祝って団子やらススキを供えて御酒を頂戴したい所だが、面倒臭いので、いつものこれで済ます(笑)。
初演は花組芝居旗揚げの前年(1986年)、加納幸和事務所第四回、外題は「JYOHRURIしゅんとく丸」でした。
花組芝居になってからは「怪誕身毒丸(かいたんしんとくまる)」と改め、1988年、1991年、1998年、と上演を重ねました。
初演はプロデュース形式だったので、戯曲に合わせて出演者を募ったが、旗揚げ公演「ザ・隅田川」で既に10人以上舞台で暴れ回っていたんで、1988年はダブルキャストで幕を上げ、後の2回はトリプルで上演している。
15年振りの今回、詳しい配役の発表は間も無くですが、内緒の情報を一つだけ、「ダブルキャスト」です!
「半沢直樹」大ヒットと呼応する、現代の錬金術師の情熱と苦悩を描く。
スズナリに居る事を忘れる、ダイナミックな視聴覚!専門用語が飛び交う題材を、ご見物目線にしようとする脚本上の仕掛けが、役と演者との距離を生み、その事で逆に、庶民レベルで理解出来ないマネーゲームに、実感を与える面白さ。
マルクスが予言した通り資本主義が理想を失った今(その前に社会主義が崩壊したのだが
)、人類の末期は宗教戦争に終わるのか!を、まさしく「回避」しようとする、みんなが笑顔になる金の使い方を必死に模索する男達。世の主婦方よ、男は表舞台で大なり小なり「伸るか反るか」を突き詰められて居るのですよ。疲れてご帰宅のご亭主を、せめて一時癒してやって下さい。
かつてTV番組で、母親不在を一日埋める父親の奮闘劇(つまり育児)が面白可笑しくドキュメントされたが、逆はなかった。逆な事して、もし冗談でも失敗して契約不成立なんてやらかしたら、数多の家族に本気で迷惑が掛かるのです。
業界やら規模やら比較にもならないが、法的に社長である自分として、株式会社カイトは他人事でない
。海渡社長の涙は身に迫りました。創業理念にこそ忘れていた理想がある。それを貫徹する為の、無情も含めた改革
。
季節の変わり目、客席に居て、今寒いんだか、暑いんだか、只々、舞台に集中出来た2時間強でした。業界人沢山の飲み会で、風琴工房常連の佐藤誓や多根君(ハイリンド)とワイワイやりました。
偶然だが、二日続けて、二子玉川「柳小路」内にて趣きの違う店で飲んだ。
先ず「ガウディの舌」。スペイン料理で、肉野菜、そしてチーズやピザ、見た目は何の変哲もないのだが、素材が良いからか風味が抜群。
次が「玉乃葉梅軒」。鍋が売りで、魚や野菜、秋の旬尽くし、店内の設えまで、何もかもが和テイストで、日本人に生まれて良かったなア、とホッと出来る店でした。
ただね、どちらもちょい高めなんだな~。しがない芝居者が、足繁く通えないのが難点
。ま、たまには良いけどね。
「BASARA(2009年)」で共演したオッシー(押田健史君)が出るというんで、パネエ風雨の中、光が丘IMAホール(生鮮食品、衣料品、飲食店、無印、ユニクロetc.何でも揃う駅ビル4Fにあるので、駅に到着したら雨具不必要)へ。
京三条木屋町「池田屋」で起きた新撰組による襲撃事件を題材に、幕末の混乱期で今も様々異説があり、真相は曖昧である所に目を付け、事変回避を狙った町人共の茶番劇から仰天などんでん返し!誰も死ななかった「池田屋事件」を、ミュージカル業界のあちこちで活躍する俳優達59名!が、和太鼓、津軽三味線、尺八、の生演奏という画期的なオリジナル曲で歌い踊る!
「ミュージカル座」は、舞芸(又もや「舞台芸術学院」!)ミュージカル部講師ハマナカトオル氏を中心に、卒業生達で立ち上げたという。そこへ「見上げたボーイズ」という演劇集団を迎えた公演なのだそうだ(オッシー談)。
経験豊富な出演者達の圧倒的な歌と踊り、テンション高い芝居。以前、劇団スイセイ・ミュージカルを見た。ミュージカル業界の実態に疎いので、同様に並べて良いものか判らないが、大きな興行に置いて、今やリスク回避で手を染めなくなった「和製ミュージカル」の創作が、こういった専門の中小劇団で脈々と試みが続いている。
かつて「スカーレット」(「風と共に去りぬ」ミュージカル版。確か海外へ輸出公演をした)や、「写楽」(時代劇ミュージカル。京マチ子、松本幸四郎etc.が出演)などの作品を、東宝という大興行会社が世に出していたと記憶する。
ミュージカル座さんなどが創り出した作品を、更に練って洗練さを増し、もっともっと大きな舞台で披露されるようになると、演劇界も随分変わるよね。
画像は台風一過の夕暮れ。左下に月が
。
日々の稽古。偶然出来た合間に、今大人気のテレビドラマを、そして座員が絡む公演を、見る。
それぞれ劇的なものを共感する面もあるが、大半が冷めちゃうね。それはプロの目だから、と言えばそうだが、何かそれだけでないように思う。「あの人」の事、プライベートも知ってる、裏話を聞いた、などなど。それらを忘れようと思ってもね。自然体で居ようとする程のめり込めないし、今の職業を思えば仕方ないし、それはそれで正しき立場と思おう。
評判のワリに感動しないのは、自分の感性が狭いせい?かと疑ってみるが、こんな俺も正しく本気な自分だよ・・・。
そんなこんなで拝見した水郷屋(=堀越涼)「弟子(と呼んでもいいかな?)」の仕事。観劇後、ボスとして、今言った冷めた目からそれなり正しい意見が言えたように思う。そして彼ら(あやめ十八番「かすり乙女」)の打ち上げな画像でした。
今まで余り踏み込んだ事のない「役」を稽古しています。
ご案内の通り「奇々怪々」は時代劇なんで、身分階級による生活様式の違いが明確だから、言えば、判り易い「役柄」にハマっていて、演じ易くはあるのだが、古典落語を幾つかコピーした経験が助かっているように思う。
お初なキャラを日々楽しんでおります。
平均寿命80前後だから、長く見積もって、残り30年未満!最近カウントダウンが始まっている感が強い。
これまでの人生、失敗だらけだったという印象を、自分の納得出来る範囲で挽回する機会って、これからあるのかな?それはきっと己れの心構えが左右するのだろうな 。
な~んて、秋の夜長も始まってないのに、自問自答を始めちゃう自分に、ちょっと慄いてます。季節も年齢も、まだ、早かろうに
。
空想組曲で共演させて頂いた、古川悦史氏や松本紀保丈が出ると聞き、馳せ参じたが、高橋由美子嬢も!その上、おかやまはじめ君がこんな本を書き演出するとは、思わなんだ。
もう5年も続く劇団とは、知らなんだ。
客席に、深沢あっちゃん(敦)が、蜂屋(=八代進一)が、そして中村福助丈が、居たとは気付かなんだ。
なんだ、かんだ、で、「南の島」(モチーフが沖縄なのは明らかだが、民俗信仰に溢れた地域に「神無島」!?)の日差し、風、潮、そこに隠された戦争の記憶まで見せつつ、男と女の影をさり気無く、過不足のない、何の不安もなく見られる大人な舞台でした。
初日の宴に加えて頂き(はじめ君に、気付いた事もちゃんと申し上げたよ)、楽しかった~!
やっと聞けた、期待の時候単語。後日のぶり返しはありそうですが、少なからずホッとする。
年齢を考えて、今夏、入浴の湯温を38度設定にしてみたら、湯上りの爽快さが、猛暑中の猛暑だった二ヶ月を多少快適にしてくれたと思う。高温だと火照りが長引き、汗が乾いた時に身体はベトベト 。
デスクワークで自室に籠もる時、電力消費よりも熱中症対策を優先した事も、「季(とき)」をやり過ごすには良かったのかも知れない。
で、夏バテ無しで「奇々怪々」の現場に臨めているのは幸い。年功と初々しさが倒錯する稽古場で、個人的にプチ背水の陣を敷いております(笑)。
7月期が終了しました。
1回目(7/14)は、8月に上演された「春興鏡獅子」の成り立ち。2回目(8/11)は、歌舞伎座(8月)が若手に占拠され(笑)、幹部が責任を負った「新橋演舞場」、その劇場誕生までの経緯から現在まで。3回目(9/8)は、先日発表された七代目襲名に因み「中村歌右衛門」の代々をあらまし。
さて10月期は、いよいよ花組芝居本公演「怪誕身毒丸」の時期なので、原作浄瑠璃「摂州合邦辻」や、脚色の大きなヒントにした、一つの仏教説話が全世界に広まった云々、そして稽古&本番の裏話などを、3回に分けてお話しようと思います。
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先ず、西川きよしさん、芸能生活50周年おめでとうございます。
通常の興行(昔は客席の入れ替え無しだったと思うが、今は1日に4回構成)に、90分の時代劇が一ヶ月入る(僕が拝見したときは第3回公演)という、花月初の試みだそうです。敵役がもう一人欲しいと、花組の波多屋(=原川浩明)にお声を掛けて頂きました。
森昌子さんや吉本の芸人さん、その他様々なジャンルの出演者!吉本らしい個人芸を散りばめ、大いなるマンネリ「水戸黄門」定番の筋立てで、目出度く満来!カーテンコールでは森昌子さんが歌声をたっぷり。
わかぎ嬢ご推奨、看板が日本文字で無かったら、ここは香港か!?という商店街が興奮する難波千日前、海鮮居酒屋「天秤棒」へ。半地下や中二階に小上がりの座敷があちこち、何やら居酒屋のテーマパークのような作りが楽しい。松竹新喜劇から招かれた、敵役のドン、江口直彌氏とご一緒に、波多屋と大阪を満喫。
二軒目は、皆さんご存知、道頓堀川、宗右衛門町「つるとんたん」!何年前だろ?公演後の二次会で深夜初めて来た時は驚いたな。豊富なメニューと、その美味さ。大阪バンザイ!
追伸。森田展義(のぶよし)く~ん!折角、ホームグラウンドに伺いながら、「吉本新喜劇」を拝見出来なかったア
。御免なさ~い。大阪吉本ファンの皆様、彼を是非ご贔屓に!親戚なんです~!